個人事業主・自営業はクレジットカードを作れる?経費の支払いはOK?
お金を借りる疑問の総合研究所【skkc.jp】クレジットカード個人事業主・自営業はクレジットカードを作れる?経費の支払いはOK?

個人事業主・自営業はクレジットカードを作れる?経費の支払いはOK?

個人事業主・自営業はクレジットカードを作れる?

個人事業主・自営業を含むフリーランスはクレジットカードを作れる?経費の支払いについても解説

個人事業主(税法上の所得区分)の方や自営業をされている方の中には、「プライベートで使えるクレジットカードを持ちたい」と考えている方や、「事業の経費をクレジットカードで支払いたい」と思う方も多いのではないでしょうか。

クレジットカードを作るには、新規申し込みをした上で審査を受ける必要があります。しかし、クレジットカードの審査においては、「安定した収入があること」がもっとも重要といわれているがゆえに、「安定した収入があることを証明することが比較的に難しい個人事業主や自営業の場合、クレジットカードの審査も厳しいのでは?」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「個人向けのクレジットカードを新規で作れたとしても、そのカードで経費の支払いはできる?」「個人事業主や自営業を始める前に作った個人のカードで、経費の支払いをしてもいいの?」など、さまざまな疑問をお持ちの方も少なくないのではと思います。

そこで今回は、個人事業主・自営業の方でもクレジットカードを新規で作ることが可能か、クレジットカードで経費の支払いができるのかという2点についてご紹介します。

個人事業主・フリーランス(自営業含む)でもクレジットカードは作れる

個人事業主や自営業の方がクレジットカードを作ることは難しいイメージがあるかもしれません。しかし、一般用・個人事業主用ともにクレジットカードの作成が可能です。

「個人事業主用のクレジットカードって何?」と、思う方も多いかもしれません。個人事業主用のクレジットカードとは、「ビジネスカード」「法人カード」などの名称で発行されているクレジットカードを指します。

申込時に提出するのは経営者の確認書類のみのため、起業直後で決算書がない場合でも申し込みは可能です。

ただし、申し込み可能とはいっても申し込みさえすれば必ず発行されるというわけではありません。
審査に通過できなければカードの発行を見送られる場合もあるため、その点はくれぐれもご注意ください。脱サラの方であれば、退職をする前に作ったカードもうまく利用しましょう。

過去の個人用クレジットカードの延滞などがなく、信用に問題がなければ、開業1年未満の方でも作成が可能な場合も多々あるため、申し込みをしてみる価値はあります。

【個人事業主・フリーランス(自営業含む)の方向け】一般用クレジットカードの作り方

一般用クレジットカードの作り方

一般用(個人用)クレジットカードを、個人事業主や自営業の方が作ることももちろんできます。カードの申し込み方法は以下の通りです。

【1】Webより発行申し込みをする

Webで発行申し込み

Web上の申し込み専用ページより、必要事項を入力して申し込みをします。

【2】引き落とし口座がある銀行で口座の設定を行う

口座の設定を行う

申込時に指定した引き落とし口座のある銀行で口座の設定をします。

多くの銀行ではWeb上で手続きが容易にできますが、銀行によっては窓口へ出向く必要がある場合もあるため注意しましょう。

【3】提出の必要があれば直近の年収を証明する書類を送付

直近の年収を証明する書類を送付

職業欄に「自営業」と記入して申し込んだ場合は、カード会社から直近の年収を証明する書類2点の提出を求められる場合があります。

その際は「確定申告書B第一表の控え」と、「青色申告決算書の控え1ページ目」または「収支内訳書の控え1ページ目」などを用意し、指定の方法でカード会社へ送付しましょう。

【4】カード会社での審査を通過した場合はカードが郵送される

カードが郵送される

審査が不可の場合には書面で送付されます。ただし、「審査否決」などの文言はありますが理由については開示されません。

一般用クレジットカードを作る際の注意点

一般用クレジットカードを作る際の注意点

前の項目でご紹介した通り、一般用のクレジットカードを作る手順は基本的に毎月給料を受け取る会社員のケースとほぼ変わりはありません。
違うとすれば、サラリーマンなどの場合は勤務先に在籍確認の連絡が入るわけですが、個人事業主・自営業の方はその代わりとして収入の証明をする必要があるという点です。

なお、個人事業主・自営業の方がクレジットカードを作る場合、注意しておきたい点があります。先にも述べました「安定した収入」という考え方についてです。

個人事業主・自営業の方がクレジットカード審査に通りにくいといわれる理由は、カード会社が「月々の安定した継続性のある収入=支払い能力」という基準に則って審査を行っているためです。

例えば、「毎月25万円の収入がある」方と「先月は100万円の収入があり、今月は0円だが来月は150万円の収入がある予定」という収入に大きなバラツキのある方が同時に申し込みしたとします。
この場合、「毎月25万円の収入」の方のほうが、審査上は継続性がありより安定していると判定されて有利になってしまうのです。

つまり個人事業主・自営業の方でも、毎月コンスタントに収入を得られていれば問題にならない場合が多いといえます。

ただし、「無収入の月がある」「月収で見ると金額にムラがある」という個人事業主・自営業の方は、審査上不利になる可能性もあるため十分注意しましょう。

一般用クレジットカードの審査に通りやすくするには?

一般用クレジットカードの審査に通りやすくするには

一般用クレジットカードは、一定の収入があれば個人事業主・自営業の方でも通ることが分かりました。しかし、「それでもまだ審査に不安がある」という方も少なくないでしょう。

ここでは、個人事業主・自営業の方が一般用クレジットカードの審査を有利にできるコツをご紹介します。

開業届を出す

税務署に開業届を出さずに自営業を営んでいる方は、これを機会に開業届を出し、個人事業主(税法上の所得区分)としての正式な登録を行うことで審査が通りやすくなる可能性があります。せっかくですので青色申告の届け出をして節税もしましょう。

また、申告のやり方やソフトの使用方法などが自身では分かりづらい方は、税務署に相談してください。無料での講習会(1年間有効なソフト使用など)なども開催していることもあります。

継続的な収入がポイント!収入ゼロの月を作らない

支払い能力が十分にあるにもかかわらず、無収入の月があるために審査に通らない事態は避けたいものです。

そこで、カードの申し込みを行う際には申告書の提出を前提に、無収入の月をなるべく作らないような事業計画を立てられるようにしましょう。

審査が厳しくないといわれるカードを申し込む

「クレジットカードの選び方によっては、カードの審査基準が変わる」という説があります。

これには具体的な信憑性はないものの、「カード会社によって審査する上で重視するポイントが異なる」という傾向があることを示唆しているようです。

例えば、消費者金融業者が発行しているクレジットカードは「クレジットの利用履歴よりも今後の支払い能力を優先して審査する」ともいわれています。
もちろん、消費者金融業者が発行するカードだからといって他のクレジットカードと性質が異なるわけではありませんから、発行されれば安心して使用できます。

少ないとは思いますが、「人生で初めてクレジットカードを作るので、信用につながる利用履歴がまったくない」という不安をお持ちの方などは、こういったカードを申し込んでみるのも考慮したいところです。

個人事業主用クレジットカードの作り方

ここでは、「ビジネスカード」や「法人カード」と呼ばれる、個人事業主用クレジットカードの作り方についてご紹介します。まずは、カード申し込みの流れから確認しましょう。

【1】Web上でカードの発行を申し込む

申し込み専用サイトで必要事項を入力し発行の申し込みをします。メールで申し込み完了の通知が届くとともに、申し込み番号などの通知が行われます。

【2】引き落とし口座の設定を行う

引き落とし口座がある銀行のWebサイト上で設定の手続きが容易にできます。

もちろん、郵送や窓口でも口座設定の申し込みが行えます。

【3】審査後カードが発行され直送される

所定の審査を経て、通過「審査可決」すればカードが郵送(簡易書留)で届きます。

個人事業主用クレジットカードを作る際の注意点

個人事業主用クレジットカードを作るにあたっても、一般用カードと同様に注意したい点があります。

個人事業主用カード特有の注意点もありますので、申し込む際にはぜひ参考にしてください。

審査の基準が一般用クレジットカードと異なる

一般用クレジットカードは「個人の支払い能力」が審査の最大の基準ですが、個人事業主用クレジットカードは「個人の審査と共に事業面での審査の両方」を行う場合が多くなります。
収入や支払い能力だけでなく、事業の経営状況なども審査の対象となるため注意しましょう。

個人事業主用クレジットカードは機能や支払いの方法に制限がある

一般用クレジットカードには、キャッシングができたり、分割払いやボーナス払いが利用できたりするなどの便利な機能が備わっていますが、個人事業主用クレジットカードではキャッシングや分割払い、ボーナス払いの機能が使用できません。

引き落としは原則として翌月一括払いのみで、キャッシング機能も利用できないカードがほとんどです。

個人事業主用クレジットカードの審査に通りやすくするには?

個人事業主用クレジットカードは、一般的に個人向けのクレジットカードに比べて審査が厳しいといわれています。
ただし、審査に通りやすくするためのポイントはいくつかあるため、このあたりをしっかり準備しておくことで審査に通らないかもしれない不安を軽減できるかもしれません。

ここでは、個人事業主用クレジットカードの審査に通りやすくするためのポイントをご紹介します。

  • 税務署に開業届を提出し、個人事業主(税法上の所得区分)として登録を済ませる
  • 事業用の固定電話や屋号を明記した名刺の作成、WEBサイト(ホームページなど)を公開して事業の稼働を広報する
  • 個人の一般用カードを持っている場合は、延滞など信用に問題をきたす使い方をしない

基本的には、一般用カードを作る場合の注意点とあまり変わりません。しかし個人事業主は登記の必要がないため、うっかり開業届を出さずにいるケースも多いものです。
個人事業主としての社会的信用につながるものですから、開業届「個人事業の開廃業等届出書(※1)」は必ず出しておきましょう。

(※1)個人事業の開廃業等届出書は、廃業時や事業所等の移転時にも同届出書は再度提出が必要です。

個人事業主・フリーランス(自営業含む)の経費はクレジットカードで支払える?

個人事業主の方が一般用クレジットカードと個人事業主用クレジットカードの両方をお持ちの場合、記帳方法など会計処理のやり方に違いはありますが、どちらのカードでも経費の支払いができます。

「現金にしないと使いすぎてしまわないか」「会計処理が大変にならないか」など、個人事業主の方がクレジットカードで経費の管理をすることに不安をお持ちの方も案外多いかもしれません。しかし、意外にもカードで経費を管理することにはメリットも多いのも事実です。

そこで、次の項目では事業の経費をクレジットカードで支払うことのメリットやデメリットについてご紹介します。

クレジットカードで経費の支払いをするメリット

ここでは、個人事業主の方がクレジットカードで経費の支払いをするメリットを中心にご紹介します。
「クレジットカードは怖い」と思っている方も、利点がたくさんありますのでぜひ参考にしてください。

お金の出入りが一覧で明確に確認できる

いつ使用したのか控えておかなければ後から確認が難しくなる現金払いよりも、金銭管理がしやすくなるという利点があります。

支払日の異なる公共料金などの支払いも一元管理が可能です。また、立て替えや仮払いなどの清算をその都度行う手間も軽減できます。

すぐ支払いしなくていいため資金繰りにも有利になる場合がある

クレジットカードを利用することで支払いを翌月の引き落とし日まで延ばせるため、その場しのぎの資金繰りにも役立つ場合があります。

一般用クレジットカードの場合はポイントが獲得できる

個人の一般用クレジットカードを使用の場合にはポイント制度が付いていますので、事業の経費の支払いに利用した場合でもポイントを貯めることができます。

カードによっては経費精算システムと連動させて処理をより楽にできる

クレジットカードの種類によっては、オンラインでの経費精算システムを導入すればそれと連動(会計ソフトとも)し、会計処理をより正確かつ楽に済ませられるようになります。

青色申告特別控除を受けるための記帳が楽になる

青色申告で65万円の所得控除を受ける場合の記帳方法にはルールがありますが、経費をクレジットカードで支払った場合は記帳方法を簡略化できる箇所がいくつかあります。

この場合、個人事業主用クレジットカードを使用したか、一般用クレジットカードを使用したかによって若干記帳の方法が異なりますが、いずれの場合もそれほど煩雑なルールはありません。

クレジットカードで経費の支払いをするデメリット

クレジットカードで経費を支払うことにはこのようにたくさんのメリットがありますが、その反面にデメリットもあります。

ここでは、個人事業主の方がクレジットカードで経費の支払いをするデメリットについても確認しましょう。

一般用と個人事業主用のクレジットカードを両方持っていると両者の管理が煩雑

まず、一般用クレジットカードと個人事業主用クレジットカードを併用して経費を支払っている場合は、当然ですが両方のカードの明細を確認して会計処理をしなければなりませんので、若干経費管理が煩雑になってしまいます。

個人用カードで個人の財布から支払ったものであるのか、事業専用の「営業性の個人口座」から支払ったものであるのかを正しく把握することがポイントです。

一般用クレジットカードの利用明細から経費分を抽出する手間が生じる

先にご紹介したデメリットにも通じますが、一般用クレジットカードを経費の支払いに使うと、プライベートで利用した分と事業で使用した経費支払い分が混在してしまうため、会計処理時に抽出作業が増えてしまいます。

また、プライベートでの利用なのか事業利用なのかの判断が難しくなる場合があり、税法上経費として認めてもらえないケースも出やすくなる他、公共料金等は自家使用分などの案分も必要となるケースもあるでしょう。

プライベートでの利用が多いと税務調査で注意されることも

事業に使用しているクレジットカードをプライベートでも頻繁に利用すると、たとえ経費に計上しなかったとしても税務調査時に指摘されてしまうことがありますので注意しましょう。

クレジットカードは賢く使えば個人事業主・フリーランス(自営業含む)の強い味方になる

今回は、個人事業主や自営業の方がクレジットカードを作る際の手順や審査のコツ、事業の経費精算にクレジットカードを利用するメリット・デメリットなどについてもご紹介しました。

「事業用にクレジットカードを持つことは不安」「そもそも審査が厳しそうなのでクレジットカードには手を出さないと思っていた」という方も多かったのではないでしょうか。

しかしながら、現金からクレジットカードに切り替えて会計処理が格段に楽になったという声も多いものです。

賢く使用することで、クレジットカードはあなたの事業をスムーズに進める強い味方にもなります。起業したてでもすぐに申し込めるクレジットカードも多く用意されていますので、この機会に申し込みを検討されてはいかがでしょうか。

木村 正人
木村 正人

ファイナンシャル・プランナ-、CFP®、GLGカウンシルメンバ-
FP1-オフイス21 代表(http://fp1-office21.com/)

ライフプラン&マネ-に関するコンサルティングから金融・財務など法人まで、コンサルティングを行う。全国信用組合月刊誌、みずほリサーチ&コンサルティング専門書、そのほか「一般・経営者」向けコラムなど原稿執筆実績あり。