生活福祉資金貸付制度とは?借りれないのはどんな場合?
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生活福祉資金貸付制度とは?借りれないのはどんな場合?

生活福祉資金貸付制度

上手く活用したい生活福祉資金貸付制度、借りれない条件とは

さまざまな事情があって収入がなかったり、収入があっても生活するには足りなかったり、家族に障害者や介護が必要な高齢者がいたりなど、家庭の事情によって生活費など金銭面で苦労しているご家庭もあるでしょう。

何か急な出費があってもお金の準備ができないとき、苦しい生活の中でも何とか工面できないかと思う方も多いはず。例えば、解決策の1つにお金を借りることが挙げられますが、後々のことを考えるとハードルが高いと感じてしまうかもしれません。

そこでうまく活用したいものが、生活福祉資金貸付制度。聞きなじみのない方もいると思いますが、今回は生活福祉資金貸付制度とは何か、また借りられないのはどんな場合かについてご紹介します。

生活福祉資金貸付制度とは?

生活福祉資金貸付制度とは?

生活福祉資金貸付制度とは、所得の低い世帯や障害者、療養・介護を必要とする高齢者がいる世帯など、資金の必要な世帯に対してお金の貸し付けと必要な援助を行う制度です。

対象となる支出、貸付条件、面接が必要であるなど、さまざまな条件がありますが要件にあてはまるとお金の貸し付けが受けられるようになっています。知っておくと将来のいざというときに頼れるでしょう。

生活福祉資金の種類

生活福祉資金はお金を借りることのできる制度ですが、その中にいくつか種類があります。以下では、生活福祉資金の種類についてご紹介します。

総合支援資金

総合支援資金

総合支援資金は個人を支援するのではなく、世帯全体の生活再建を支援する制度で、世帯全体の収入で生活できる場合は対象になりません。世帯に必要な費用を積み上げて必要な金額を貸し付けします。

そのため、借り入れ申し込みの方以外の世帯全員の就労・就学・疾病・周遊や負債などの世帯全体の状況を聞いて必要に応じて対応することになります。

総合支援資金の利用は世帯の全員の了解を得ることが必要です。ですから家族が勝手に借りていた、というような事態は起こりません。

総合支援資金制度は、「貸し付け」です。貸し付けをすることで就職活動中の生活費をまかなう一方で、借金をするという気持ちとしても重い負担が伴います。離職や減収による求職活動中の世帯が対象のため、働けなかった場合には借り入れた額の返済が世帯にとって大きな負担になることもあります。

そのようなことにならないよう、今の話や昔の話などを相談員が聞きます。貸し付けをすることによる負担が大きく、借りることで余計に生活が苦しくなると困りますよね。

そのため、適切な支援にならないと判断された場合は貸付ができません。貸し付け以外の方法がある場合は、他の方法を優先して行うことになります。世帯状況が客観的に分かる資料を用意し、貸し付けの審査を行うため、審査の結果次第では貸し付けが受けられない可能性があるのです。

1)生活支援費

生活支援費は、生活再建までの間に必要な、生活資金のための貸し付けです。

【貸付条件】

貸付限度額 単身者の場合月額15万円以内、二人以上世帯の場合月20万円以内。
貸付期間 原則3カ月で最長12カ月
据置期間 最終貸付日から6カ月以内
返還期限 据置期間経過後10年以内
貸付利子 保証人有の場合0%(無利子)、保証人なしの場合1.5%
保証人 原則必要だが、保証人なしでも貸付可能
2)住宅入居費

住宅入居費は、敷金、礼金など住宅の賃貸契約を結ぶために必要な費用に関する貸し付けです。

【貸付条件】

貸付限度額 40万円以内
据置期間 貸付の日から6カ月以内(生活支援費とあわせて貸し付けを受けている場合は、
生活支援費の最終貸付日から6カ月以内)
返還期限 据置期間経過後10年以内
貸付利子 保証人有の場合0%(無利子)、保証人なしの場合1.5%
保証人 原則必要だが、保証人なしでも貸付可能
3)一時生活再建費

一時生活再建費は、生活を再建するために一時的に必要で日常生活ではまかなえない費用、就職などのための技能習得に要する費用、債務整理に必要な費用支払いなどのための貸し付けです。

【貸付条件】

貸付限度額 60万円以内
据置期間 貸付の日から6カ月以内(生活支援費とあわせて貸し付けを受けている場合は、生活支援費の最終貸付日から6カ月以内)
返還期限 据置期間経過後10年以内
貸付利子 保証人有の場合0%(無利子)、保証人なしの場合1.5%
保証人 原則必要だが、保証人なしでも貸付可能
福祉資金

福祉資金

1)福祉費

福祉費は、生業を営むのに必要な費用、技能習得に必要な経費や技能習得期間中の生活維持のための経費を指します。例えば、住宅の増改築や補修、公営住宅の譲受の経費、福祉用具の購入、障害者用自動車の購入、ケガや病気の療養の費用と療養期間中の生活費、介護サービス障害者サービスを受けるのに必要な費用とその間の生活費などです。

その他、災害罹災による臨時費用、冠婚葬祭の費用、引っ越し費用、就職や技能習得費用なども含まれます。

【貸付条件】

貸付限度額 580万円以内
据置期間 貸付の日から6カ月以内(分割による交付の場合には最終貸付日から6カ月以内)
返還期限 据置期間経過後20年以内
貸付利子 保証人有の場合0%(無利子)、保証人なしの場合1.5%
保証人 原則必要だが、保証人なしでも貸付可能
2)緊急小口資金

緊急小口資金は緊急で一時的に生計の維持が難しくなった場合の少額貸し付けです。

【貸付条件】

貸付限度額 10万円以内
据置期間 貸付の日から2カ月以内
返還期限 据置期間経過後12カ月以内
貸付利子 無利子
保証人 不要

総合支援資金と緊急小口資金については、就職が内定している方または、生活困窮者自立支援制度による自立相談支援事業の利用が貸付の条件です。

教育支援資金

教育支援資金

1)教育支援資金

教育支援資金は、低所得世帯にあって高校、大学、高等専門学校に就学するために必要な経費の支援金です。

【貸付条件】

貸付限度額 高校の場合、月3.5万円以内。高等専門学校の場合、月6万円以内。
短大の場合、月6万円以内。大学の場合、月6.5万円以内。
特に必要と認める場合には、これらの金額の1.5倍まで貸し付けできます。
据置期間 卒業後6カ月以内
返還期限 据置期間経過後20年以内
貸付利子 無利子
保証人 不要。ただし、世帯内で連帯借受人が必要<
2)修学支度

修学支度金は、低所得世帯にあって高校、大学、高等専門学校への入学に必要な経費の支援です。

【貸付条件】

貸付限度額 50万円以内
据置期間 卒業後6カ月以内
返還期限 据置期間経過後20年以内
貸付利子 無利子
保証人 不要。ただし、世帯内で連帯借受人が必要<
不動産担保型生活資金

1)不動産担保型生活資金

不動産担保型生活資金は、低所得の高齢者世帯に対して、自宅を担保として生活資金を貸し付ける資金です。

【貸付条件】

貸付限度額 土地の評価額の70%程度。月30万円以内。
貸付期間は借受人の死亡時までの期間か、貸付元利金が貸付限度額に達するまでの期間となります。
据置期間 契約終了後3カ月以内
返還期限 据置期間終了時
貸付利子 年3%または長期プライムレートのいずれか低い利率
保証人 推定相続人の中から選任
2)要保護世帯向け不動産担保型生活資

要保護世帯向け不動産担保型生活資金は、生活保護が必要であると認められた高齢者の中で、自宅を持ち将来もそこに住み続けることを希望している方に、不動産を担保にして生活資金を貸し付ける制度です。

【貸付条件】

貸付限度額 土地と建物の評価額の70%程度(マンションなどの集合住宅の場合は50%)。
生活扶助額の1.5倍以内。貸付期間は借受人の死亡時までの期間か、貸付元利金が貸付限度額に達するまでの期間となります。
据置期間 契約終了後3カ月以内
返還期限 据置期間終了時
貸付利子 年3%または長期プライムレートのいずれか低い利率
保証人 不要

借り入れ申し込みの流れ

平成27年4月から、生活困窮者自立支援制度の施行のため、資金の種類によって借り入れ申し込みの流れが変更になりました。

福祉費、教育支援資金、不動産担保型生活資金

自宅地域の社会福祉協議会に相談すれば、申し込むことが可能です。

  1. 申請書類を市区町村の社会福祉協議会と都道府県の社会福祉協議会で、申し込み内容の確認と貸し付けの審査を行います。
  2. 審査後は、貸付決定通知書または不承認通知書を送付してください。
  3. 貸付が決定した場合は、都道府県の社会福祉協議会に借用書を提出し、貸付金を受領する流れとなります。

総合支援資金、緊急小口資金
  1. 自宅地域の市区町村の社会福祉協議会に借り入れの希望を伝え、自立相談支援機関の担当者に相談。
  2. 自立相談支援機関では、借り入れ希望者の個々の状況を踏まえて、自立支援プランを検討。
  3. 生活福祉資金の利用可能性がある場合には、借入額や返済計画などについて相談し、必要書類を添付の上、申請となります。
  4. 提出した申請書類をもとに、都道府県の社会福祉協議会において最終的な貸し付け審査を行います。
  5. 貸付決定の場合には、都道府県の社会福祉協議会に借用書を提出し、貸付金を受領します。

生活困窮者自立支援制度について

生活困窮者自立支援制度は平成27年4月からスタートした生活困窮者の支援制度で、生活全般の悩みを全国の窓口で相談できるようになりました。働きたいのに働けない、住む場所がない方などは地域の相談窓口で相談してみてください。1人1人の状況に合わせた支援プランが作成され、専門の支援員が解決に向けた支援を行います。

生活福祉資金貸付制度でお金を借りられないのはどんな場合?

高齢者世帯と認められない場合

生活福祉資金貸付制度は貸付対象が、低所得世帯、障害者世帯、高齢者世帯です。以下では、生活福祉資金貸付制度で借りられないケースをご紹介します。

低所得世帯と認められない場合

低所得世帯とは、生活福祉資金の貸し付けとともに必要な支援を受けることで独立自活できると認める世帯で、必要案資金を他から借り受けることが困難な世帯が対象です。

収入の目安としては、住民税が非課税になっている場合が想定されます。カードローンなどでも借りることができない場合に適用になると考えてください。

つまり、銀行などのローンでお金を借りられる方はそもそも対象外であるということです。金利が低いという理由だけで、カードローンではなく生活福祉資金を借りたいということはできません。あくまでもカードローンなども借りることができないときに、利用できる可能性があるということです。

障害者世帯と認められない場合

障害者世帯とは、身体障害者手帳、養育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた方で、現在障害者総合支援法によるサービスを利用しているなど、同程度と認められる方がいる世帯です。障害者であることを証明するものがない場合には、利用が難しいでしょう。

高齢者世帯と認められない場合

高齢者世帯とは、65歳以上の高齢者のいる世帯です。免許証、健康保険証など公的な身分証があれば年齢は確認できます。

自立が見込めない場合

貸し付けを行った結果、自立が見込まれる世帯であれば貸し付けの対象となります。しかし、自立の見込みがないようなケースでは貸し付けの対象とすることができません。貸し付けの意味がないような方には、そもそも貸し付け自体を行わないようになっています。

貸付審査

生活福祉資金の貸し付けに際しては、各都道府県の社会福祉協議会ごとに定められた審査基準により審査・決定されます。貸付審査に通らないと、お金は借りることができません。

生活困窮者自立支援制度の利用

生活困窮者自立支援制度による自立相談支援制度を利用していないと、総合支援資金と緊急小口資金については貸し付けが受けられなくなっています。

ローンも利用不可能なら生活福祉資金を

今回は、生活福祉資金貸付制度とは何か、また借りられないのはどんな場合かについてご紹介しました。

収入や預貯金がなくなり、銀行などのローンも利用できないとしても、公的な制度の中でお金を借りることができます。万が一生活が苦しくなり、一時的にお金が必要になった際に生活や住居、教育、などに関する福祉資金を借りられるのです。

このような制度は、知っている方は利用しますが、知らない人は存在を知らないのですから利用することができません。なじみのない制度かもしれませんが、存在や仕組みを知っていれば、生活福祉資金貸付制度がいつか役に立つ日が来るかもしれません。

高橋 成寿
高橋 成寿

ファイナンシャルプランナー
寿FPコンサルティング株式会社 代表取締役

慶應大学卒業後、金融関係の経験を積んでファイナンシャルプランナーとして独立。2007年の開業以来、1,000世帯を超える家計相談に従事。知っておいて損は無いこと、知らないと損すること、世の中にある色々なお金の情報発信を心がけている。