総合支援資金の審査に落ちた!総合支援資金貸付制度の審査内容とは?

総合支援資金の審査に落ちた!総合支援資金貸付制度の審査内容とは?

総合支援資金総合支援資金の審査

総合支援資金の審査内容と貸付制度とは

一般的な住宅ローンやカードローンなどは、収入があることが前提でお金を借りることのできる制度です。しかし、ローンや銀行の融資も受けられないような状況で、急に生活資金が必要になった場合、どうすれば良いのでしょうか?

総合支援資金貸付制度は、一時的に収入がなく生活に窮している方への資金の貸付制度です。つまり、収入のあてがない状態で審査を受けられる貸付制度のため、いざというときのために仕組みや審査内容を知っておくと役に立つかもしれません。

そこで今回は、総合支援資金貸付制度の審査内容や審査に通るコツ、審査に落ちるケースについてご紹介します。

総合支援資金貸付制度とは?

総合支援資金貸付制度とは?

総合支援資金は、平成20年に起きた不況により日本における雇用状況が悪化、非正規雇用労働者が仕事と家を同時に失うなど、生活に困る人が急増しました。

そのため、既存のセーフティーネットである雇用保険(失業給付)や生活保護といった制度とは別に、非正規雇用労働者に対する第2のセーフティーネットとして作られたものが総合支援資金貸付制度です。生活困窮者に対する住居確保の支援、継続的な生活相談、生活支援とともに生活費の貸し付けを行う内容となっています。

貸し付け実績

社会福祉法人全国社会福祉協議会が発表した、平成25年度セーフティーネット支援対策事業生活福祉資金借受世帯の現況調査報告書によると、総合支援資金の貸し付け実績は以下の通りです。

平成21年度 件数 26,353件
総額 178.7億円
平成22年度 件数 41,344件
総額 262.2億円
平成23年度 件数 17,779件
総額 101.9億円
平成24年度 件数 9,920件
総額 51.1億円

ピークの平成22年度より減っていますが、数十億円単位の貸し付けが行われていることが分かります。

対象者

対象者の条件は以下の通りです。

  • 低所得者世帯(住民税非課税程度)で失業や収入の減少で生活に困窮している
  • 公的な書類で本人確認が可能
  • 住まいのある人、または住宅手当の申請を行い、住まいの確保が確実である
  • 社会福祉協議会とハローワークなど関係機関から継続的な支援を受けることに対して同意している
  • 社会福祉協議会などが貸し付けと支援を行うことで、自立した生活を営む事が可能となり、返済を見込める
  • 他の公的な給付や公的な貸し付けを利用できないため、生活費をまかなうことができない

総合支援資金貸付制度の審査内容

返済能力の有無

それでは、総合支援資金貸付制度の審査内容をご説明します。

返済能力の有無

総合支援金貸付制度は、仕事があるもしくはこれから仕事に就くという理由で、将来的に返済能力があると判断されることが必要です。

連帯借受人

総合支援金貸付制度にはいくつか種類がありますが、教育支援資金については未成年が申請することになるため、一緒に貸し付けを受ける家族などが連帯借受人になることが必要です。ほとんどの場合は、子どもと一緒に親がお金を借りることになります。

子どもの卒業後は20年かけての返済となり、将来的に返済できるのか、親など連帯借受人の収入も審査の対象です。親の収入が少なくない場合は、そもそも総合支援資金の対象とならない可能性もあります。

借り入れ申込者世帯の資産状況

総合支援金貸付制度は世帯に対する貸し付けを行う制度です。そのため同世帯の他の方の所得を本人の所得と併せて申告します。したがって、世帯全体の収入が多くなると審査が通らないと考えられます。

連帯保証人

連帯保証人は必ずしも必要ではありませんが、連帯保証人がいることで、金利負担がなくなるなどメリットがあります。また、返済能力を持つ人が連帯保証人になることで、審査上有利になることも考えられるでしょう。

なお、連帯保証人は借受人、連帯借受人とは生計が別の人がなるため、収入があったとしても世帯内で収入を加算されることはありません。

借り入れ理由

総合支援金貸付制度の利用がなぜ必要なのか、その理由を明確に伝えることが必要です。例えば、なぜ低所得世帯になっているのか、より多くの収入を得ることができないのか、働けない場合はなぜ働くことができないのかなどについて、病気や障害、介護などが理由であると書く場合もあります。

資金の使途

貸し付けを受けた資金を何にいくら使うのかを明示します。資金使途が貸し付けの目的にあっているか、資金使途が妥当かどうかなども審査の項目です。

個人情報の第三者提供の同意

貸し付けの申請をする際に、個人情報を必要な範囲で第三者に提供することへの同意が必要です。申し込みの署名、押印欄は個人情報の第三者提供同意欄でもあります。

そのため、個人情報の第三者提供を拒否する場合は、そもそも審査自体をしてもらえないことになるでしょう。

反社会的勢力に該当しないかの確認への同意

貸し付けた資金が暴力団などに使われることのないよう、身元確認がされます。そのため、貸し付けを申請する本人と同世帯の人物が、暴力団員など反社会的勢力でないか確認することへの同意が必要です。

総合支援資金の審査に通るコツはあるの?

対象世帯という考え方を理解する

総合支援金貸付制度の利用にあたっては、所定の審査があります。審査内容は非公開となっており、これをやればお金を借りられるというものはありません。

ただし、借入申込書の記載内容がそのまま審査されるため、事前の民生委員との面談と借入申込書が審査の対象ですから、審査が通るためのコツはその中に含まれているといえるでしょう。

対象世帯という考え方を理解する

総合支援金貸付制度は、失業者など個人単位を支援する制度ではありません。世帯を支援するための制度のため、同世帯の他の方の収入で生活ができる場合は対象になりません。家族のうち、1人が失業してお金がないから貸してほしいという理由では、総合支援金貸付制度の利用はできないのです。

返済計画を理解する

総合支援金貸付制度は、お金をもらう制度ではなく借りる制度のため、返済が必要です。貸し付けの種類によっては2カ月後や6カ月後に返済が始まります。

そのため、現在は一時的に収入がなくても、今後就労することで収入が発生する見込みがあるなど、将来的な返済能力がなければなりません。

嘘をつかない

総合支援金貸付制度の借り入れ申し込みをするときに、提出した書類に書いてある事柄と、実際の情報が違うような事があると審査が通りません。お金を貸すという行為の前提にあるのは、誠実にお金を返すという行為です。うそが発覚した場合は当然ながらお金を借りることはできませんし、借りている最中に嘘が発覚した場合は、貸した資金の返済を求められることもあります。

仕事ができる健康な心身

総合支援金貸付制度は、何らかの理由で生活に困窮し、一時的に資金が必要な人に対して、今後支出が必要になる資金を貸し付ける制度です。一時的にお金が足りないという状態がポイントです。

今後、長期にわたりお金が足りなくなると分かっている方は利用できません。今だけお金が必要であるとか、学校に通うために数年間資金を借りたいというような要望に対してのみ、お金を借りることが可能です。

病気や障害で働けない方などは、将来的な返済のめどが立たないと判断される可能性が高いため、他の項目がクリアできたとしても、審査は厳しい結果になるでしょう。

コミュニケーションがとれる

総合支援金貸付制度を利用するには、返済までの据え置き期間中や、返済が開始して全額返済が完了するまでの期間中、社会福祉協議会の職員など関係者から支援を受け続けることが必要です。

黙ってお金を貸してくれれば、そのうち返します。という方はお金を借りることができません。支援者と二人三脚でお金を使い、働きながら借りたお金を返すという考えが大切です。

社会福祉協議会との信頼関係を構築する

民生委員と会わない

総合支援金貸付制度の審査基準は不明であっても、社会福祉協議会の職員や民生委員との信頼関係が審査に影響するのは、上記を見てもらえばご理解いただきやすいでしょう。

人間関係において最も大切な要素の1つが信頼です。信頼のない方にはお金を貸すことができません。総合支援金貸付制度も、社会福祉協議会からの信頼が得られなければ利用は難しいでしょう。

総合支援資金の審査に落ちるケースは?

総合支援金貸付制度の審査は個別に一人一人対応するため、住宅ローンやカードローンなどのように、一定の要件にだけあてはまれば利用できるとは限らないため、審査が厳しい融資制度であるといえます。それは財源が税金であるということも理由の1つでしょう。

一方で、貸付残高は減少の一途をたどっており、現在はピーク時の1/3程度の貸し出し実績です。ただし、自治体ごとの保有する資金に対して貸し付けているパーセンテージに開きがあります。

会計検査院の資料によると、平成26年度は東京都では貸し付け用資金に対して3割程度の貸付率です。最も高い地域は山梨県で、貸付資金に対して8割以上の貸し付けとなっています。他にも佐賀県、鹿児島県、岡山県は貸付資金に対して8割前後の貸し付けを実施しています。

それでは、どのようなケースだと審査が通らないのでしょうか。

申請書や添付書類の記載事項が事実と異なる

一言で表すと虚偽記載となります。例えば、他人になりすまして借入申込書に記入すると、本人ではないため当然貸せません。本人確認書類を添付しても、事実と異なっていれば審査は通らないでしょう。

また、東京都に住んでいるのに、埼玉県や神奈川県、千葉県など隣接地域の居住者として、埼玉県、神奈川県、千葉県の社会福祉協議会に書類を提出した場合、住まいが地域にない事が分かれば審査に通りません。

その他、資金使途が虚偽であり、まったく関係ないことにお金を使うのに、他の理由でお金を借りようとするような場合も、当然貸し付けは不可能です。修学資金を借りようとしているのに、実際は生活に使ってしまうようなことが想定されれば、社会福祉協議会としては審査で断るしかありません。

うっかりした記入ミスであれば見逃してもらえるかもしれませんが、意図的な記載の誤りやまったく異なる記載などが発覚すれば、審査には落ちてしまうでしょう。

民生委員と会わない

原則的に審査の前に民生委員と面談することになっています。しかし、さまざまな理由で民生委員と会いたくないと考える方がいます。そもそも金銭的な事情を話したくない方も少なくないでしょう。お金を借りるためとはいえ、自分の財布の中身をさらけ出して、生活状況を確認されることにストレスを感じるのは当たり前です。

しかしその場合は借入申込み自体が難しく、申込書を提出したとしても状況が把握できていなければ、審査には通りません。

コミュニケーションがとれない

貸し付けを受けたあと、そして返済が始まってから全額返済が終わるまでの長期にわたって、社会福祉協議会の職員や民生委員のサポートを受けることが貸し付けの条件です。面談の段階で、お金を借りたら最後、もう誰にお世話にもなりません、という態度ではお金を借りるところまでたどり着かないでしょう。

貸し付けや支援の担当者と会って話をするなどの、コミュニケーションがとれない場合は審査に通りにくくなります。

借りるではなくもらえるお金だと思っている

返すつもりがさらさらない、そんな方も中にはいます。そのような考えが、面談時などに伝わったり、貸し付けを受ける理由と異なることにお金を使いそうだと判断されたりすると、貸し付けを拒否される可能性があります。

返す前提で、具体的な目的のためだけに使う、そして働いて得たお金できちんと返済する。という気持ちを持って担当者と接すること大切です。

総合支援資金の審査を通るには理由や誠実さが大事

今回は、総合支援資金貸付制度の審査内容や審査に通るコツ、審査に落ちるケースについてご紹介しました。

総合支援資金貸付制度は、書類だけの審査はできません。利用者の人となりを知って、なぜ資金が必要なのか、働いて収入を得て返済することができるのか、という点をシビアに審査されているのです。

明確な審査基準が公表されているわけではありませんが、利用の際には今回ご説明したような対象者に該当する条件や、審査に落ちてしまいやすい行動や考えなどを再度確認しておきましょう。

一般的なローンなどを利用できずに困っている方は、まずは社会福祉協議会や民生委員の方に相談し、制度が利用できるのか、今後収入の見込みがあるかなどについて話し合うことをおすすめします。

高橋 成寿
高橋 成寿

ファイナンシャルプランナー
寿FPコンサルティング株式会社 代表取締役

慶應大学卒業後、金融関係の経験を積んでファイナンシャルプランナーとして独立。2007年の開業以来、1,000世帯を超える家計相談に従事。知っておいて損は無いこと、知らないと損すること、世の中にある色々なお金の情報発信を心がけている。

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