生活保護の申請方法・必要書類をわかりやすく解説!

生活保護の申請方法・必要書類をわかりやすく解説!

生活保護の申請方法

生活保護申請の必要書類や申請方法とは

生活保護という制度は、生きていれば1度は耳にしたことがあると思います。しかし、生活保護の詳しい内容を理解している方は少ないのではないでしょうか。

生活保護は、生活に困っている方に対して必要な保護を行う制度です。必要最低限度の生活を保障して、自立を促すことを目的としています。

しかし、正しい知識がなければ、いざ生活保護を利用しようと思って近くの社会福祉協議会事務所に相談に行っても、生活保護の申請すらできないことも……。

そこで今回は、生活に困ったときに役立つ生活保護の制度内容や生活保護の申請方法、さらに必要書類について分かりやすくご紹介します。

生活保護の制度ってどんなもの?

生活保護の制度

人生では、予想できないさまざまなトラブルに見舞われることがあります。

例えば、「家庭の事情で会社を退職せざるを得なくなる」「病気で働くことができなくなる」あるいは「年金が少なくて生活できない」などが、具体的な事例として挙げられるでしょう。

生活保護制度は、このようなさまざまな事情で生活することが金銭的に難しい方を支援する制度です。生活保護費を受給することで、経済的に厳しい生活を立て直すきっかけとなり、安定した生活を送るための支援を受けることができるようになります。

以下では、生活保護で受けられる各種の扶助についてご紹介します。

「生活扶助」とは

生活保護を受給されている方が、普段の生活をするうえで必要になる費用のことです。つまり生活扶助で支給される金銭が、受給者の生活するための資金となります。

生活扶助は、1種と2種に分類されて支給されています。

1種は、主に食費などで個人的に使用する資金で、生活保護の受給者が生活するうえで必要不可欠な費用です。

2種は、主に水道光熱費などの固定費で、生活保護世帯で共通して使用する費用がまとめて算出されています。なお生活保護受給世帯のうち母子家庭などの特定の世代には支給額が加算されます。

さらに生活扶助の中には、入院中に使用する日用品を購入する場合や、火災で消失した家具を購入する場合など、一時的に必要な金銭を支給してくれる「一時扶助」もあります。

「住宅扶助」とは

住宅扶助は、賃貸住宅などの家賃や、引っ越し費用および契約更新料などが日常生活に必要と認められる場合に支給されます

ちなみに、火災保険や共益費、管理費などは「住宅扶助」の対象にはなりません。

「教育扶助」とは

教育扶助は、義務教育を受けている子どもを扶養している世帯に支給されます。

学校給食費や修学旅行の積立金、学用品費などが支給の対象です。

「医療扶助」とは

医療扶助は、生活保護を受けている方が医療を受けるための扶助です。実際に金銭が支給されるものではありません。

生活保護世帯の方が病院に行くときは、地域の社会福祉協議会事務所に相談して医療券を発行してもらい、それを利用して受診するため受診の費用はかかりません。

ただし、受診する病院は国や市町村で指定されている病院になります。

病院に受診へ行く場合は、事前に担当の職員にどこの病院なのかを確認したほうが良いでしょう。

「介護扶助」とは

介護扶助は、「要介護」「要支援」の基準を満たしている方が対象の扶助です。

これも「医療扶助」と同じで金銭での支給はありません。

「出産扶助」とは

出産扶助では、出産に必要な費用が決められた範囲で支給されます。

「生業扶助」とは

生業扶助では、就職するために必要となる技術や資格などを取得する際に必要となる費用が支給されます。

「葬祭扶助」とは

葬祭扶助では、生活保護世帯の中で亡くなられた方が出たときに、葬儀の費用として決められた範囲の金銭が支給されます。

生活保護でいくらくらいもらえるの?

厚生労働大臣が定めた基準で算出される最低生活費から、収入(仕事による収入や親族からの援助、さらに各種手当や年金の合算)を引き、差額があれば、差額分が生活保護費として支給されます。

最低生活費は、住んでいる地域(※1)や年齢、世帯人員などによって異なるため、一概にいくらくらいもらえるのかは断定できません。

(※1)住んでいる地域
生活保護費は個人ではなく世帯単位で支給されますが、地域ごとに異なる物価や地価を考慮した「級地」という規定があるため、地域により「生活保護基準(※2)」が異なります。

(※2)生活保護基準
生活保護基準は、世帯人数、年齢、級地によって定められた基準です。世帯全体の収入の中には、給料、年金、仕送り、預貯金、保険や不動産売却収入などのすべての収入が含まれます。

生活保護を受けるための条件って?

生活保護を受けるための条件ですが、原則として4つの条件を満たさないと生活保護を受けられません。

1人暮らしの方は自分だけが条件を満たしていれば大丈夫ですが、家族と同居している場合は、世帯全体で条件を満たしているかが問われますので注意しましょう。

資産の活用

預貯金や持ち家を所有している場合は、生活保護を受けられません。利用できる預貯金、あるいは持ち家を売却して生活費に回すことを先に提案されます。

生活保護を申請する前に、活用できる資産がないかどうかを確認しておきましょう。

能力の活用

身体障害などのやむを得ない事情を抱えている方以外は、基本的に働いて収入を得なければならないため、生活保護は受けられません。

健康状態に不安のある方は、少しばかりの収入があるから生活保護を受けられないのではないかと心配になるかもしれませんが決してそういうことではありません。

その能力に応じて働けば良いのです。

扶養の活用

親族などからの支援が受けられる場合は支給されません。身内に頼れる人がいる場合は、その方に支援してもらうことが前提です。

ただし、安易に頼れる身内がいなければ問題ありません。

他の制度の活用

生活保護制度以外による援助がある方は、そちらを優先して生活費に充てなければなりません。もしかすると、利用できる制度があるのに見落としていることもあります。

もう1度他に利用できる制度がないか確認しましょう。

生活保護の申請窓口はどこ?

生活保護の申請窓口

まずは、住んでいる地域の社会福祉協議会の事務所へ行ってください。地域によっては公的な介護施設などと併設だったり、市役所や区役所の建物の中にあったりします。

次に、社会福祉協議会の事務所の中にある生活保護担当課(※3)に、生活保護を受けようとしている本人が直接行って申請をしましょう。

何らかの事情で住所が定まっていない場合や、特殊な事情があって住民票記載の住所とは違う住所に一時的に住んでいる場合は、近くの社会福祉協議会の事務所でも、これから住みたいと考えている地域の社会福祉協議会事務所でも申請が可能です。

もし、本人がケガや体調不良で直接相談窓口に行けない場合は、社会福祉協議会の事務所に電話をして「生活保護の申請をしたいので自宅に来てください」と依頼することもできます。

また、地域の民生委員や利用している施設の職員、入院先のソーシャルワーカーなどと相談したうえで、社会福祉協議会の事務所へ連絡をしてもらうこともできるので、生活費に困ったらなるべく早めに相談しましょう。

(※3)生活保護担当課
各社会福祉協議会の事務所によっては、担当する課の名前が違うケースもありますので、どこで生活保護の申請ができるかは受付で確認してください。

生活保護の申請に必要な書類

生活保護の申請に必要な書類

生活保護の申請を行うために必要な書類は、主に4つあります。

1.生活保護申請書

生活保護申請書

生活保護申請書の記入方法ですが、まず、宛名は申請する社会福祉協議会の事務所の所長や生活保護の担当者の名前を記載します。そして、申請者氏名を書き、氏名の横に認め印を押印してください。

次に申請者の現住所や連絡先を記載します。申請者が住所不定の場合は記入しなくてもいいのですが、理由は書いておきましょう。

また、生活保護を一緒に利用する家族がいる場合には、世帯全員の名前と家族構成も記載します。

この生活保護申請書の中で1番大事な項目が、生活保護を受けたい理由です。申請者が日常生活を送る中で、特にお金に困っている現状を詳しく記載してください。

なお、借金がある場合でも生活保護は申請して問題ありませんので、必ず記載しましょう。

生活保護を受給した後に、自ら自己破産をするか、弁護士などに債務整理を依頼する予定があることなども記載してください。

最後に、援助者の確認のために両親や兄弟・姉妹、親族なども記載します。もし、連絡先や住所が分からなくても名前と続柄や年齢など、分かることだけでも記入しましょう。

2.資産申告書

資産申告書

資産申告書の基本的な記入方法は、生活保護申請書と同じです。ただし、生活保護申請書とは違い、申請者が保有している資産の内容について詳しく記載する必要があります。

資産申告書では、まず自宅などの不動産についての情報を記載します。例えば、自宅の所有者が誰なのか、そして購入時に住宅ローンを利用しているかどうか、自宅の広さ、築年数などの情報です。

その他には、預貯金や車、さらに加入している生命保険の内容なども記載します。

また、現在所有している資産の中に20万円以上で売れそうな高価ものがあれば一緒に記載しましょう。

3.収入・無収入申告書

収入・無収入申告書

収入・無収入申告書の基本的な記入方法も、生活保護申請書と同じです。

ここでは申請者の収入について詳しく記載します。

収入・無収入申告書には、働いて得た収入以外の収入(親からの仕送りなど)をすべて記載しましょう。

基本的には過去3カ月分の収入を記載してください。

勤め先の給与明細などを付けると良いでしょう。給与明細がない場合は、勤め先の名前や所在地、通勤に必要な交通費なども記載してください。

無職の場合は、その理由を書いておきましょう。

4.一時金支給申請書

一時金支給申請書

一時金支給申請書とは、住所不定の方がアパートなどを借りるために必要な費用を援助してもらうための申請書です。

申請者が入居できそうなアパートが見つかったときは、物件を仲介している不動産会社から入居に必要な費用明細を取得し、この明細書と一時金支給申請書を一緒に提出します。

上記以外にも、運転免許証やマイナンバーカード、保険証などの本人確認書類なども必要になります。

申請後の調査において、上記書類以外にも提出を求められることがあるので、臨機応変に対応しましょう。

生活保護の申請方法や申請の流れ

それでは生活保護の一般的な申請方法や申請の流れについてご説明します。

なお、お住まいの自治体によっては、生活保護の申請手続きが異なるケースがあります。

生活保護の事前相談をする

生活保護の申請をするときに必要になるのが、地域の生活保護担当の職員との事前の面談です。その際に、申請者の家庭の経済的な事情や暮らしぶりについて詳しく聞かれます。

もし、申請者が生活保護以外の支援制度を利用することで、生活保護を受けなくても生活が成り立つ場合は、生活保護の申請を受け付けてもらえないこともあるため注意しましょう。

また、生活保護の不正受給を防止するために、簡単に生活保護の申請はできませんと説得されるケースもあります。

生活保護の申請をする地域の生活保護担当職員から説明をよく聞いたうえで、本当に生活保護を受けなければ生活ができないという事実を客観的に判断してもらいましょう。

生活保護の申請をする

生活保護の申請をする地域の生活保護担当者と事前相談が終わると、申請に必要な書類がもらえます。

その後は、先ほども説明した生活保護申請書を含む4種類の申請書を用意して、社会福祉協議会事務所の担当窓口にそれらの書類を提出してください。なお、申請書を提出する際は、認め印を忘れないようにしましょう。

生活保護の申請手続きは、申請者本人以外では、両親などの扶養義務者や同居の親族が代理で行うことも可能です。

また、申請者本人が入院中などのやむを得ない理由で申請できない場合は、入院先の病院などを通じて申請することもできますので覚えておきましょう。

各種調査を受ける

生活保護の申請書を提出すると、社会福祉協議会事務所の生活保護担当員が申請者の自宅を訪問して調査を行います。

その際、普段の生活の様子や生活保護を受けるための条件が整っているかどうかが綿密に調査され、同時に、生活費を管理している銀行の取引履歴の調査や保険会社への契約照会も行われます。

必要な調査が終了すると、生活保護受給の可否が 2週間程度で決定されます。

生活保護費の支給が開始される

生活保護の支給が決定されてもすぐに支給が開始されるわけではありません。

基本的に生活保護費は、毎月決まった日(1日や5日など)に支給されるのですが、その支給日は地域の社会福祉協議会事務所によって異なります。

生活保護費の支給日がいつになるのか確認したい場合は、担当窓口に問い合わせをしてください。

生活保護には厳正な審査が必要

今回は、生活保護制度の概要や申請方法と申請時の必要書類についてご紹介しました。

生活保護の受給を認めてもらうためには、きちんとした申請、審査が大切であることがご理解いただけたと思います。生活保護費を受給することで、行き詰まった生活を立て直す良いきっかけになるでしょう。

満足な収入が得られず生活が苦しくて困っている方々が、生活保護制度で少しでも安定した生活が送れることを願っております。

船津 正明
船津 正明

CFP/第一級ファイナンシャル・プランニング技能士/証券外務員1種/生命保険・損害保険募集人資格/日商簿記2級/日本FP協会 兵庫支部 運営選任委員/こうべ企業の窓口 イベント企画委員長/認定NPOはんしん高齢者暮らしの相談 正会員

大和証券(株)にて27年間に渡り延べ5,000件以上のお客様の資産運用や相続、事業承継についてのご相談を承る。お客様からのあらゆる相談に応じたいとの思いで独学にて勉強を続けた結果、2010年にCFP資格を取得。しかし、特定の金融機関に所属した立場での相談業務に限界を感じて2014年3月に大和証券(株)を退職する。
同年11月に中立の立場でお客様の思いを大事にする船津正明FP事務所を開設。 独立開業後は年間延べ300件以上に及ぶ個別相談を実践し、相談者のお金に関するお悩みを解決すべく尽力している。

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