カードローンで自己破産した後はどうなる?自己破産しないための対策とは
お金を借りる疑問の総合研究所【skkc.jp】カードローンの基礎カードローンで自己破産した後はどうなる?自己破産しないための対策とは

カードローンで自己破産した後はどうなる?自己破産しないための対策とは

自己破産しないための対策

自己破産とは裁判所を通して、借金を帳消しにしてもらうことをいいます。自己破産ができるのは「借金の返済ができない状態」となった場合で、裁判所より免責が認められると、税金などを除くすべての債務を支払う必要がなくなります。「借金が返済できない状態」であるかどうかは、借金の額や収入や資産などの状況から総合的に判断されます。

自己破産すると借金は帳消しにしてもらえますが、預金など、20万円以上の価値のある財産は処分されてしまいます。一方で99万円までの現金は、「自由財産」とみなされ処分されません。これは破産者が基本的な生活の維持に必要な財産として、手元に残せるためです。

カードローン利用者の中には、借り入れによって返せないほどの借金を抱え、やむを得ず自己破産する方もいます。それでは、どうすればカードローンによる自己破産を防ぐことができるのでしょうか。

今回は、カードローンによる自己破産の現状や、自己破産しないための対策などについてご紹介します。

カードローン利用の自己破産は多いの?

カードローン利用の自己破産は多いの?

以前よりもカードローンの審査が甘くなり、お金を借りやすくなったため、カードローンが原因で自己破産する方は増加しています。

カードローンをすでに利用している方や、これから利用を検討している方に知っておいてほしいことを、具体的な事例を使ってご紹介します。

 

軽い気持ちのキャッシングがきっかけで自己破産(40代専業主婦)

ある40代の専業主婦は、軽い気持ちのキャッシングがきっかけで自己破産しました。普段は、クレジットカードは買い物にしか使っていなかったのですが、「クレジットカードのキャッシング枠を使ってみたらどうなるのだろう」と軽い気持ちでキャッシングを始めました。

すると、思っていたよりも簡単に借り入れができました。最初のうちは借り入れも少額だったので、夫から預かっている家族の生活費をやり繰りすることで返せるから大丈夫だと甘く考えていたのです。

この感覚は自己破産する方に多く見られます。クレジットカードで借り入れをするようになると、そのクレジットカードのキャッシング枠(借り入れの限度額)が、銀行に預けてある自分の預金であるかのように勘違いをしてしまうのです。

キャッシングを繰り返しているうちに、金銭感覚がだんだんと麻痺してきます。次第に借り入れも銀行のATMで自分の預金を下ろすのも、大して変わらないのだと思い込み、借りたお金には利息をつけて返済しないといけないということに目をつぶるようになります。そして最終的には、借金をすること自体に抵抗がなくなってしまいます。

この40代の専業主婦は、クレジットカードのキャッシング枠を使い切ると、今度は消費者金融系のカードローンでも借金をするようになります。借金は雪だるま式に増えて返済ができなくなり、結局自己破産に至りました。幸いこのケースでは、ご主人は連帯保証人になっていなかったため、奥さんの借金を代わりに返済しなくて済みました。

趣味の車のローンがきっかけで自己破産(20代会社員)

趣味の車のローンがきっかけで自己破産(20代会社員)

次にご紹介するのは、趣味の車のローンがきっかけで自己破産した、20代会社員のケースです。この会社員は、知名度も高くて給料も良い会社に入社できたので、入社当時から派手にお金を使っていました。もともと車が大好きだったので、社会人になって自分の給料をもらうようになったら絶対に車を買おうと以前から決めていました。そこで、入社してすぐにマイカーローンを利用して車を購入します。

次第に普通の車では満足できなくなり、いろいろと改造用の部品を買い始めました。しかし、改造用の車の部品は高額で、手元にあるお金だけでは足りません。給料日前にお金が足りなくなると、カードローンによる借り入れをするようになりました。

ところが、会社で配置転換を命じられたために給料が下がり、借り入れの返済が苦しくなってきました。そこで、月末になると返済のための新たなカードを作り、借金の返済のための借り入れを始めます。知名度の高い会社に勤めていたので、新規のカードの審査は簡単に通っていました。

借金はますます膨らみ続けていきましたが、自転車操業で何とか返済はできていたので、危機感はあまりありませんでした。しかし、こんなことが長続きするはずもありません。ある日を境に、新規のカードの審査に落とされるようになります。年収の3分の1までしか借り入れができないという総量規制が貸金業者に導入されたのです。

当然のことですが、返済は一気に行き詰まりました。困ったあげく弁護士に相談したところ、自己破産の申し立てをするように指導を受けました。

自己破産した後はどうなる?

自己破産で借金の返済から解放されるというメリットはありますが、デメリットはどういうことがあるのでしょうか。以下では、破産者が自己破産によって日常生活で制限されることや注意点についてご紹介します。

新規の借り入れができない

自己破産した場合、個人信用情報機関(ブラックリスト)に5年から10年間は事故登録をされてしまいます。そのため、新規の借り入れやクレジットカードの審査にはまず通らないでしょう。

また、携帯電話本体の返済残高がある場合は、自己破産で返済を帳消しにしてもらっているので、携帯電話の利用ができなくなります。ただし、携帯電話本体の返済が終わっていて、通話料金の滞納もなければそのまま利用できます。

官報に自己破産の事実が掲載される

自己破産すると、官報へその事実が掲載されます。官報とは、国が発行している民間の裁判記録などを掲載した情報誌です。しかし、一般的には閲覧者も少ないので、官報で自己破産をしたという事実が知られることはあまりありません。

士業は資格の制限を受ける

士業は資格の制限を受ける

自己破産の手続きが始まって、裁判所から借金の免責の許可が下りるまでの間は、弁護士・司法書士・税理士などのいわゆる士業は資格の制限を受けることになります。

 

自宅や自動車が差し押さえられる

自己破産では、換金価値のある自宅や自動車などは差し押さえられます。解約返戻金のある保険契約や預金、給与までも差し押さえられますので、日常生活には大きな影響があります。

税金や養育費などの支払い義務は残る

税金や養育費などの支払い義務は残る

自己破産しても免除されない借金・債務もあります。例えば、税金・養育費・慰謝料・損害賠償請求(故意によるもの)などの支払い義務は残ります。

 

自己破産しないための対策方法は?

最近はカードローンで破産する方が増えています。カードローンの利用自体は間違いではありません。カードローンの使い方が間違っているのです。以下では、カードローンで自己破産しないための具体的な方法についてご紹介します。

【1】カードローンの利用目的を明確にする

カードローンの利用目的を明確にする

当たり前のことですが、カードローンは何に使うのかという利用目的を明確に決めてから利用しましょう。例えば、ただ単に遊ぶお金が欲しいとか、ギャンブルに使いたいとかは利用目的にすべきではありません。

「給料日前に少しだけ」というなら分からなくもないですが、あまり感心しません。利用目的を決めずにカードローンを繰り返すと、借金をしているという意識が薄くなってしまいますので、注意するようにしましょう。

 

【2】元金均等返済を活用する

住宅ローンにもいえることですが、借金はできるだけ短期間に返済していくことが重要です。カードローンの返済方法には、リボルビング返済・定額返済・定率返済・残高スライド返済などがありますが、ぜひとも活用してほしいのが元金均等返済です。最初に返済回数と元金が決められている元本均等返済は、他の返済方法に比べて短期間で元金を減らしていくことが可能です。

最初に返済を始めたときは返済額が高く設定されていますが、返済が進んでいくと利息がどんどん下がっていくため、返済額も少なくなっていくのです。この元金均等返済では、総返済額を少なくできるというメリットがあります。返済を始めたときはきついかもしれませんが、後で楽になるという仕組みです。

【3】複数社の借り入れは避ける

複数社の借り入れは避ける

借金の額が大きくなると、現実逃避したいという気持ちが強くなります。しかし、自己破産をしないためには、常に自分の借入状況を把握しておかなければなりません。

まず守ってほしいポイントが、1つの借金を完済するまでは別の借り入れをしないことです。ひとたび多重債務に陥ると、抜け出すことは簡単ではありません。借金を返済するには、現実をしっかりと見つめて危機感を持って対応していくことが大事です。

 

【4】分割やリボルビング払い(リボ払い)は避ける

分割やリボルビング払い(リボ払い)は避ける

クレジットカードで買い物をしたときの支払い方法は一括払い、ボーナス払い、分割払い、リボルビング払い(リボ払い)の4種類があります。一括払いとボーナス払いでは手数料や金利はかかりませんが、分割払いとリボルビング払いは14~15%前後の非常に高い手数料がかかってきます。

少し高い買い物をすると翌月の引き落としを心配して、ついつい気軽に分割払いやリボルビング払いを利用してしまいがちですが、これが落とし穴となります。

分割払いやリボルビング払いを繰り返し利用するようになると、自分がいくら返済しなければいけないのかが分からなくなってきます。最終的には翌月の引き落としのために、キャッシング枠を使って新たな借金を作って返済に回すという自転車操業に陥ります。

このように買い物のときに安易に分割払いやリボルビング払いを選択することは非常にリスクが高いため、利用はできるだけ控えましょう。

【5】確実に実行できる計画を立てる

まずは、現在の正確な借入残高や毎月の返済額を把握してから返済計画を立てます。そのためには、自分が毎月いくら返済できるのかを知らないといけません。

私のもとへ相談に訪れる方には、家計簿をつけることを提案しています。最近では手書きでノートにいちいち書かなくても、スマートフォンのアプリを利用する方法があります。家計簿をつけることで無駄な出費も抑えられるだけでなく、自分が毎月いくらなら返済できるのかも把握できて一石二鳥です。

毎月の返済が軌道に乗ってきたら、繰り上げ返済も検討しましょう。繰り上げ返済を行うのは、ボーナスが入ったときや保険の満期金が入ったりしたタイミングです。繰り上げ返済を行うと返済期間を短縮できて、返済利息も安くなります。もちろん、返済利息が下がれば総返済額を大幅に減額することができます。

借金の返済というとネガティブなイメージがありますが、計画を1つずつ達成することで、モチベーションを高く保てるのではないでしょうか。

【6】支払い条件を見直す

毎月の返済が多すぎて負担が重いと感じているなら、返済中のカードローンの会社に連絡をして、支払い条件の見直しの相談を早めに行いましょう。具体的には「毎月の返済額を減らしてもらう」「返済利息を減らしてもらう」「支払日を変更してもらう」などの方法があります。

カードローン会社に相談をするときに大事なポイントは、ちゃんと返済する意思があるということをアピールすることです。カードローン会社としても、無理な返済が続けられないことは理解しているので、交渉の余地はあります。

返済方法の見直しに応じないと自己破産の可能性が高まるため、カードローン会社としても借金を踏み倒されるぐらいなら、返済方法の見直しに応じて返済を継続してもらう方が良いというわけです。

おわりに

今回は、カードローンによる自己破産の現状や、自己破産しないための対策などについてご紹介しました。

カードローンの自己破産で気をつけていただきたいのが、銀行カードローンを使っている場合です。銀行カードローン利用者が自己破産した場合、預金口座が凍結されてしまいます。

自己破産の手続きをする前に口座にある預金は引き出しておくとともに、別の銀行の口座を開設して、公共料金の引き落としや給与振込などの変更手続きを行いましょう。

カードローンの返済が重荷に感じてきたら、まずは借入先へ相談をしてみてください。それでも良い解決策が見つからなければ1人で抱え込まず、弁護士や司法書士あるいはファイナンシャル・プランナーなどの専門家に相談してください。きっと良い方向へと導いてくれるでしょう。

船津 正明

CFP/第一級ファイナンシャル・プランニング技能士/証券外務員1種/生命保険・損害保険募集人資格/日商簿記2級/日本FP協会 兵庫支部 運営選任委員/こうべ企業の窓口 イベント企画委員長/認定NPOはんしん高齢者暮らしの相談 正会員

大和証券(株)にて27年間に渡り延べ5,000件以上のお客様の資産運用や相続、事業承継についてのご相談を承る。お客様からのあらゆる相談に応じたいとの思いで独学にて勉強を続けた結果、2010年にCFP資格を取得。しかし、特定の金融機関に所属した立場での相談業務に限界を感じて2014年3月に大和証券(株)を退職する。
同年11月に中立の立場でお客様の思いを大事にする船津正明FP事務所を開設。 独立開業後は年間延べ300件以上に及ぶ個別相談を実践し、相談者のお金に関するお悩みを解決すべく尽力している。