ビジネスローン(事業者ローン)とは?他の資金調達方法との違いは?

ビジネスローン(事業者ローン)とは?他の資金調達方法との違いは?

ビジネスローン(事業者ローン)と他の資金調達方法との違い?

ビジネスローン(事業者ローン)と他の資金調達方法との違い?

ローンにも住宅ローン、マイカーローン、教育ローン、フリーローンなど、たくさんの種類があります。住宅ローン、マイカーローン、教育ローンなどはお金の利用目的が決まっていて、その目的達成のためにお金を借りることができます。逆に目的以外のためには、お金を使うことができないともいえます。

ビジネスローン(事業者ローン)は、事業者の資金調達が目的のローンです。ビジネスローンといわれても、聞いたことが無い方が多いかもしれません。しかし、今後、ご自身で起業されたり、家業を継がれたりする予定がある場合は、ビジネスローンについて知っていても損はありません。

そこで今回は、ビジネスローンとは何か、他の資金調達方法との違いについてご紹介します。

ビジネスローン(事業者ローン)とは?

ビジネスローン(事業者ローン)とは?

ビジネスローンは事業者ローンともいい、日常生活で利用されるローンとは異なり、個人で事業を営んでいる自営業の方や会社の経営者が主な利用者となります。つまり、事業を営む方の資金調達の手段なのです。誰もが利用できるローンではありません。そもそも事業者が対象なので、会社員の方や公務員の方には縁がないといえるでしょう。

ビジネスローン(事業者ローン)と他の資金調達との違いは?

資金調達と書くと、堅苦しく感じるかもしれません。資金調達をわかりやすく別の言葉で言い変えると、「どこから資金(お金)を持ってくるか」ということになります。

最近はビットコインなど仮想通貨でのお金集めもありますが、今回はあくまでも現実の通貨でお金を集める方法をお伝えします。

株式

株式

事業者の資金調達の本命は、会社を作って株式を発行することです。株式を買ってもらうことを出資といい、出資額の合計した金額を資金調達することとなります。家族や知り合いに出資してもらうことは、会社の株式を買ってもらうことを意味します。出資を受ける側には、いつまでにお金を返さなければならないという義務はありません。

そしてもちろん、自分自身でも会社の株を買うことになります。全額自分のお金で株式を買い取れば、会社の株式を100%所有することになるため、自分が会社のオーナーになります。

問題は自分自身がどれくらいの出資金を捻出できるかということです。1,000万円集めたいのに100万円の資金では900万円足りません。家族や知り合いもビジネスプランに賛同してくれるかどうか未知数です。

最大のリスクは、出資してもらった人たちに会社の経営権を与えてしまうことです。従って、出資を募る場合は、会社の経営に口出しをされることを受け入れる必要があります。自分のやりたいように会社経営を行いたい場合は、自分だけで出資することが必要です。

株式を通じて資金調達した場合は、出資者に経営に関する議決権と呼ばれる経営への投票権が発生します。自分以外の出資者が多い場合は、自分の立ち上げた会社が他の人に取られてしまう可能性もあります。

社債

社債は株式と同じように、家族や知り合いから会社の資金を債券という形で集める方法で、そのときに発行するものを社債といいます。社債で集めたお金は、数年という期間を設けて事業に投じられます。

社債は株式と異なり、実際は借り入れになります。借入期間中は利子を支払うという方法で資金提供に報います。借入期間が終了した場合は、集めた資金と同じ金額を資金提供者に返済します。うまく借りることができれば、満期になった後も同額の社債を同じ出資者に発行することで、再度資金調達を実施することができます。

後述の融資の場合と比べると、借入期間中に元本返済が発生しないため、一度資金調達ができれば、期間中は元本の返済を気にせずに資金を活用できるのが特徴です。

融資

融資

融資は主に金融機関などから事業のためにお金を借りて、借りたお金を事業に活用し、手元資金の不足を補う方法です。株式や社債との最も大きな違いは、金融機関の審査があるということです。過去から現在の収入、事業の売上や利益などさまざまな要素を総合的に勘案し、お金を貸すという視点で審査されます。つまり、この人やこの事業にお金を貸したら、貸したお金は利息付きで返してもらえるだろうか?という視点です。

ですから、融資の申し込みに必要な書類は多岐にわたります。確定申告書、法人決算申告書、本人確認書類など、1人で準備・作成するのは少し大変かもしれません。審査は金融機関によって異なり、審査の基準は非公開となっています。民間の金融機関の他にも政府系の金融機関などが融資を実施しており、審査の厳しさは政府系の方が緩やかで、民間の方が厳しいとされています。

補助金・助成金

補助金・助成金

補助金と助成金は、主に政府から出される返済不要の資金です。補助金は厚生労働省などが取り扱うことが多く、雇用保険に加入している企業向けで所定の条件を満たすことができれば、どの法人でも資金を受け取ることができるものなどがあります。

助成金は一定の条件を満たす以外に、対象となる企業数や予算が決まっていることが多いようです。助成金を申し込むと、申込書が集約され、その中で審査が行われるなどして、受給することのできる会社が選ばれます。

補助金・助成金に共通する点は、後払いであるということです。株式や債券などは資金が必要なときに事前に資金を調達することで、目的にお金を使うのが一般的ですが、補助金や助成金は先に支出をして、数カ月後に振り込まれるなど、目的を達成した後に支払われることが特徴です。

クラウドファンディング

クラウドファンディング

最近はインターネットで資金調達を行うことができるようになりました。これはクラウドファンディングといって、不特定多数の人々に資金調達に関する情報を提示し、内容に共感した人や条件が魅力的だと思った人からお金を集める方法です。社会的なニーズがあり共感を得られるような資金調達の内容であれば、短期間に予定資金が集まることもあります。

反対に、告知内容の魅力が乏しい場合は、資金集めに時間がかかったり、そもそも資金が集まらなかったりするなどということもあります。所定の金額に到達しない場合は、資金調達自体が無効になるといった条件での募集が多いので、失敗すると時間と労力が無駄になってしまいます。

ICO(イニシャル・コイン・オファリング)

最新の資金調達では、ICO(イニシャル・コイン・オファリング)と呼ばれる資金調達方法があります。これは、仮想通貨を独自に発行するなどして資金調達を行うものです。現状では個人や小さな会社でのハードルが高い方法ですが、今後は利用のハードルが下がる可能性もあるので、覚えておくと良いでしょう。

IPO(イニシャル・パブリック・オファリング)

株式の証券取引所への上場を通じた資金調達です。独立や起業する人であれば、誰しも一度は夢見る資金調達方法でしょう。株式上場は証券取引所の種類によって、売上規模などの上場審査要件があり、所定の要件をクリアすることが必要です。他にも、税理士による税務申告以外に公認会計士による監査が必要とされるなど、私的な会社から公的な会社へ変化するにあたり、手続きが増えることとなります。

煩雑な手続きや上場に伴うコストもかかりますが、会社が社会的信用を得て、従業員が誇りを持って働き、採用活動が非上場の同業他社と比べて有利になるなど、さまざまな企業経営上のメリットがあります。

ビジネスローン(事業者ローン)のメリット

ビジネスローンの利用にはどのようなメリットがあるでしょうか。株式、社債、融資、補助金・助成金などとの違いを考えてみます。

スピードが早い

スピードが早い

ビジネスローンは、審査のスピードが融資と違って早いのが特徴です。一般的な金融機関の融資では、融資を申し込んでから融資が実行されるまで数週間かかってもおかしくありません。しかしビジネスローンであれば、早い場合は即日審査が終わり、お金を借りることができるかどうかが確定します。

資金が必要なときにすぐにお金を借りることができる点が、ビジネスを行う上では重要です。仕事のチャンスが見つかったのに、資金調達に手間取っていてはチャンスを逃してしまうかもしれません。そのような場合にビジネスローンを活用することで、チャンスを手にする可能性が高くなります。

無担保

金融機関の融資には、担保が必要な場合と不要な場合があります。担保が必要な場合は、一般的には自宅などの不動産を担保に提供します。ただし、自宅を担保にすると、担保設定に時間もお金もかかります。また、自宅を持っていない人はそもそもお金を借りることができません。しかし、担保を必要としない融資であれば、不動産を保有していなくても、お金を借りることができます

保証人不要

保証人不要

金融機関から融資を受ける場合は、連帯保証人が必要であったり、保証協会に保証してもらったりしてお金を借りることになります。ビジネスローンでは、法人で資金を借りる場合は、法人の代表者が法人の借り入れに対して連帯保証をすることになりますが、それ以外に家族や友人・知人に連帯保証人になってもらう必要はありません

連帯保証人を得られないために資金が調達できないということも、金融機関の融資ではありえますが、ビジネスローンの場合はそのような心配は不要となります。

使途不問

金融機関の融資の場合は、事前に、何にいくらのお金が必要だから融資をしてほしいかを申請し、審査が通れば資金を調達して、当初の目的遂行のために資金を利用します。しかし、ビジネスローンにおいては、事業に使うということ以外に、使用使途の制限はありません。ですから、いつ出会うかわからないビジネスチャンスに対して柔軟に資金を使うことができます。

総量規制の対象外

総量規制により、個人でお金を借りる場合の借入上限額は年収の3分の1に設定されています。しかし、ビジネスローンは事業用の借り入れということもあり、総量規制によって借入額が決まってしまうことはありません。金融機関ごとの貸し出し上限まで資金を借りることができるようになっているのです。

ビジネスローン(事業者ローン)の選び方

それでは、実際に、ビジネスローンを選ぶ際のポイントをご紹介します。

個人利用の可否

ビジネスローンというと法人の利用に限定されているように感じますが、実際は個人事業や副業に対してもお金を借りることができる場合があります。対象者が法人だけでなく個人も含まれるのか、条件を確認しましょう。個人の方も対象のビジネスローンであれば、法人を設立しなくてもお金を借りるチャンスがあります。

金額

事業用の借り入れで、数万円や数十万円借りることができても意味がありません。百万円単位で資金を借りることができるのが、ビジネスローンの特徴です。ただし、金融機関ごとに借り入れることのできる金額には上限が設けられていますので、いくら資金が必要なのかをあらかじめ把握しておくことで、融資上限によって金融機関を選ぶことができます。

金利

ビジネスローンの利用はお金を借りることになりますから、金利を支払う必要があります。金利が高ければ支払いが多くなり、金利が低ければ支払いは少なくて済みます。ビジネスローンにおいては金利の高い低いよりも、借入可能な金額や借り入れまでの手間やスピードを考えた上で、金利を借入先選びの要素として検討材料にすると良いでしょう。

ビジネスローンの活用が事業の成否を握る

今回は、ビジネスローン(事業者ローン)とは何か、他の資金調達方法との違いについてご紹介しました。

ビジネスローンについて理解は深まりましたか?このようなローンや借り入れと呼ばれるものは、勉強して頭で理解したとしても、実際に活用する場面になるとさまざまな疑問点が出てくるものです。そのようなときにもう一度この記事を参考にしていただくと、新たな気付きが得られるでしょう。今わからなくても、後で「こういうことだったのか!」とわかることもあります。

ですから、今頭の片隅にしまっておいて、いざ本当に必要になったときに確認していただくと、ビジネスローンを活用するときに大いに役に立つでしょう。資金調達を考えている方にも、ビジネスローンの考え方は活用いただけるものと思います。

ローン・借り入れをいかに上手に活用するかが、事業の成否を握る鍵となります。皆さまの事業の一助になれば幸いです。 

高橋 成寿
高橋 成寿

ファイナンシャルプランナー
寿FPコンサルティング株式会社 代表取締役

慶應大学卒業後、金融関係の経験を積んでファイナンシャルプランナーとして独立。2007年の開業以来、1,000世帯を超える家計相談に従事。知っておいて損は無いこと、知らないと損すること、世の中にある色々なお金の情報発信を心がけている。

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