ディーラーローンの審査は甘い?銀行のマイカーローンとどっちがいい?
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ディーラーローンの審査は甘い?銀行のマイカーローンとどっちがいい?

ディーラーローン

ディーラーローンの審査基準とマイカーローンとの比較について

自動車を購入する際のローンには、大きく分けてディーラーのローンと銀行のマイカーローンがあります。どちらの方が利用しやすいかは、人にもよるため利用の際にはよく検討する必要があるでしょう。

自分に最適なローンを選ぶ際は、どのような状況下でローンを利用するのを考えることが重要です。人生にはさまざまなライフステージがありますが、マイカーは通常一生に一度の住宅取得と異なり、一生の間に幾度か買い替える時期を迎えます。その都度ライフステージにも変化が訪れますし、将来のマイカー購入時の環境も変わるでしょう。そのため、ローンの選定にも違いがあるのです。

今回は、ディーラーの(マイカー対象)ローンの審査が甘いといわれている理由と、ライバルである銀行のマイカーローンとの違いから、一体どちらを選ぶと良いのかご説明します。

ディーラーローンとは

ディーラーローンとは

ディーラーローンとは、大手自動車メーカーなどの自動車ディーラー(car dealership)が取り扱っている自動車ローンのことで、ディーラーから自動車を購入した場合に系列のディーラーローンを利用できます。

ディーラーの店舗やショールームにディーラーローンの案内のパンフレットを置いているケースもあれば、パンフレットは置かずに見積もりを依頼してから具体的なプランを提案してくるケースもあります。

ここでいうディーラーとは、1社のメーカーと特約店契約を結び、そのメーカーから自動車を仕入れて販売する店舗を指します。複数メーカーの自動車を扱っていることが多く、ディーラーから自動車を仕入れて販売するサブディーラーとは異なりますので注意してください

ディーラーローンの審査はなぜ甘い?

ディーラーローンの審査

銀行のマイカーローンやディーラーのローンは、基本的に信販会社などの保証を受けるため連帯保証人は原則不要です。連帯保証人が不要という点では、どちらも利用しやすいといえますが、ディーラーローンは銀行のマイカーローンよりも審査が通りやすいローンといわれています。

その大きな理由が、車両自体を販売するディーラーと融資のみを行う銀行では、審査基準が異なることです。単純に金利にも違いがありますが、車両自体を担保にするか否かで審査やその期間にも差が出ることが両者の違いを大きくしています。銀行でも住宅ローンは30年など長期の借り入れのため、審査も厳しく担保も必要です。

一方、ディーラーローンでは、短い期間だったとしても無担保となることが利用しやすい点でしょう。

それではもう少し詳しくご紹介します。

ディーラーローンの審査が通りやすい理由

審査が通りやすい理由

銀行のマイカーローンは、低金利(業界最安値)の他にも「無担保」を売りにしています。もちろん、その反面提出する書類も多いため審査期間も比較的長く、審査自体も難しくなります。しかし、ディーラーローンの場合は銀行に比べて金利は高めである分、ローンの審査が通りやすいといわれています。これはディーラーの場合は車両販売を本業とするところにあります。つまり、メーカーから販売促進のバックアップがあるため、その分審査が早くなるのです。

また、車両本体がディーラーもしくはローンの保証や代行業務などで提携している信販会社の担保となるため、より審査が甘くなる傾向があります。ただし、保証会社としての信販会社を通さずに連帯保証人を立てる場合は、車両はディーラーの担保となります。

ディーラーローンと銀行のマイカーローンとの違い

銀行

銀行は一般的にディーラーよりも資金力があるため、マイカーローンの金利が非常に低いことが多く、銀行ごと※に条件は異なりますが、金利のキャンペーンなども頻繁に行っています。さらに、銀行ローンの場合は、ATM付近には必ずといって良いほどマイカーローンのパンフレットが設置されているため、多くの人の目に留まることも特徴です。

一方、メーカーと特約店契約を結んでいるディーラーローンでも、キャンペーンとして独自のサービスを提供している場合があるため、事前に確認は必要です。また、ディーラーローンは審査時の提出書類も多くないことから審査期間が短くて済むことがメリットといえます。

ただし、ディーラーのショールームへ行くと魅力的な車が並んでいますが、ディーラーローンのパンフレットは軽自動車などの大衆車でもない限りあまり見られません。このような事情から、銀行のマイカーローンに比べてディーラーローンは知られていないかもしれません。

※銀行にも都市銀行(ゆうちょ銀行含む)・地方銀行・信用金庫・信用組合・JAバンク・漁協・労働金庫・ネット銀行などで呼び名は別でもマイカーローンがあります。

ローンの審査期間

ローンの審査期間

ディーラーローンは銀行などの低金利マイカーローンと違い、比較的審査が早く終わるため、事情があって車の納車を急ぐケースでは、金利が多少高くても審査の期間が短いディーラーローンがおすすめです。

審査期間が短い理由の1つは、有担保であることです。ディーラーローンでは銀行のように無担保の取り扱いがなく、ローンを完済するまでの間は購入した車両自体がディーラーもしくは信販会社などの担保となります(借入金を完済して名義が自分名義になるまでは転売もできません)。

もう1つの理由として、ディーラーはそもそも自動車販売が目的のため、メーカー側が利用しやすいローン(メーカー系クレジット会社が代金立替、提携信販会社が保証と代金回収など役割を分担)の提供などでバックアップしている点が挙げられます。

最初にディーラーローンを契約したとしても、低金利である銀行のマイカーローンにあとで借り換えることも可能です。ただ、借り換えには多少時間がかかるため、余裕がある時期に申し込みを行いましょう。

ローンの金利や独自のオプションなど

ローンの金利

ディーラーローンは、大きな資金力を背景とする銀行のマイカーローンよりも、基本的には金利が高くなります。

ただし、銀行のローンにも固定金利および変動金利の2種類があり、変動金利の場合は経済状況や金利自体の動向に左右されるため、長期間利用する場合は必ずしも低金利のままとは限りません。固定金利であれば金利が変わる心配がいりませんが、低金利でも変動金利の場合は将来の返済額が増減するため、借入期間を考慮してうまく利用しましょう。

また、ディーラーローンは車種や新車/中古車の区分によって金利が異なる場合がありますし、同じメーカーであっても販売店により金利が異なることもあります。オプションなどのサービスなどの有無もありますので、総合的に検討することが大切です。

このように、ディーラーローンのプランは銀行よりも細分化されていますが、中には買い替えに便利な残クレなどの仕組みが付いた比較的低金利なプランもあります。低金利のディーラーローンは、自動車販売における顧客獲得の競争もありメーカー各社がこぞって用意している現状です。時間的な余裕があり、特定メーカーへのこだわりがない方はディーラー各社が提案する独自のローンプランをチェックして見積書などで比較検討するのも良いでしょう。

ネット申し込みでお得になる場合も

ローンの返済期間

実は、ネット専用ですが異業種も参入しています。損保系の会社が提供するマイカーローンです。保証料なしで来店不要、しかも金利も1%からの固定金利かつ低金利です。借入期間も6カ月の短期~10年の長期まで用意されています。

ただし、収入のハードルが280万円以上と高く、申込年齢も60歳までとなっているので注意しましょう。また、保険契約は他社でも可で担保も不要ですが、振込手数料と印紙代は必要です。

ローンの返済期間

銀行カードローンの即日融資が停止に

ディーラーローンは、クレジット会社が立て替えた購入代金を分割でディーラーに返済するという仕組みですが、銀行に比べて最長融資期間の設定が短いというデメリットがあります。

また、信販会社が購入代金を保証する場合には、車両が信販会社(通常は分割代金を回収する業務も請け負います)の担保に入ります。車両が担保の場合、借入期間が長くなればなるほど担保である車両の価値も下がるため、途中で転売したくなっても思うような価格にならず、返済計画がスムーズに進まない可能性もあるでしょう。

一方、銀行は無担保融資であり個人の信用が最重視されるため最初から7年や10年の期間を選択できます。そのため、銀行のマイカーローンは毎月の返済を軽減し、10年超など長期間保有して乗ろうと考えている方に向いているといえるでしょう。また、70歳など免許返上を決めている方などは、契約年齢にも注意して最終の長期マイカーローンを検討してください。

※参考:ディーラーの残クレなどは再度の延長借り入れが可能ですが、審査や金利のウエイトも高くなり最長は通算で6年程度と、銀行ほど長くはありません。ただし、短期間(3年~5年)で何度も新車に乗り換えるケースでは残クレも検討しましょう。

マイカーの所有権

マイカーの所有権

銀行や損保系のマイカーローンの場合には無担保融資が可能なため、所有権は自分にありますが、ディーラーを通して購入した場合には、車検証に明示されている通り所有者がディーラーもしくは信販会社となります(所有権留保の状態*1)。使用者はもちろん購入者本人ですが、ローンの返済が終わるまではあくまでも所有権はディーラーもしくは信販会社にあるため、ご注意ください。

また、契約と同時に申し込めるメーカー系以外の信販会社*2もあり、ディーラーなどの販売店が多く提携しています。

ローン申し込みの流れ

ローン申し込みの流れ

所有権については、申し込みからの流れで見ると分かりやすいかも知れません。「販売会社・信販会社・メーカー系クレジット会社」の役割を踏まえてご説明します。

まず、販売会社の申込時点の役割は、自動車ローンの基となる自動車販売契約と同時にローン申込を受け付ける窓口です。販売会社は提携する信販会社に審査を依頼し、信販会社は審査や返済を受け持つなどの役割を担います。

さらに、審査に通った場合、利用者は以下の各契約を結んでいるため契約が履行されます。

  • 販売会社との売買契約
  • 信販会社との保証委託契約
  • 系列のクレジット会社との立替払契約

つまり、メーカー系列のクレジット会社「○○ファイナンス」などは代金を販売会社に立て替えて支払い、また、利用者(契約者)は手数料(金利分)を加算した金額を分割して信販会社に支払います。

この際、車両が保証会社の担保に入るのですが、同じメーカー系列であっても販売店により提携の信販会社を通さず保証人を立てた場合は、ディーラーの担保となることもあります。

したがって、ローンの返済が終わっていない車を急に売却したくなったときは、所有者をディーラーから自分に移す作業が必要です。所有権を自分にするためには、ローン残金全額を現金一括で支払う必要があります。

※1.所有権留保の状態:割賦販売法の規定によりローン完済までは自動車の所有権を(ディーラーや信販会社に)留保して使用者として借りている状態です。もちろん、債務不履行となればディーラーなどは自動車を取り戻すことになります。また、例えば使用者が破産しても破産手続きによらず優先的に弁財を受けられます。

※2.自動車購入代金の立て替え払いも行う信販会社自体もあります(原則有担保です)。さらに、返済を伸ばしたり縮めたり自由にできるローンもあり、支払いがコントロールできるなどの機能を持ち合わせている場合もあります。

ライフステージに合ったローンの選択を

今回は、審査が甘いといわれているディーラーローンと、審査が厳しいといわれる銀行のマイカーローンについてその違いなどについてご紹介しました。

何をとっても一長一短があるように、ディーラーローンと銀行のマイカーローンそれぞれにも良し悪しがあります。金利の高低だけでなく無担保/有担保などの注意点もありますし、借り入れまでの審査期間や提出書類の数、各種独自のオプションやキャンペーンなど、さまざまな違いがあるため人によってメリット・デメリットの受け取り方が異なるでしょう。

マイカーの購入は、一生の中で何度か訪れるかもしれません。その時々で、経済的にどれだけ余裕があるか、残り何年元気に働けて安定的な収入があるかなど、違いが生まれます。

各種ローンの特性を踏まえて、自分のライフステージや状況に合ったローンを検討・選択してください。

木村 正人
木村 正人

ファイナンシャル・プランナ-、CFP®、GLGカウンシルメンバ-
FP1-オフイス21 代表(http://fp1-office21.com/)

ライフプラン&マネ-に関するコンサルティングから金融・財務など法人まで、コンサルティングを行う。全国信用組合月刊誌、みずほリサーチ&コンサルティング専門書、そのほか「一般・経営者」向けコラムなど原稿執筆実績あり。