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相場はアマノジャクである。人が考えているとおりには、なかなか動いてくれない。理屈では割り切れない、いわゆる「理外の理」で動くものであり、それが「相場は生きもの」といわれるゆえんでもある。
自分が下した判断だからといって、これにこだわりすぎ、あるいは意地をはっていては、大きな痛手をうけることになりかねない。相場のゆくえは、相場だけが知っている。ここは、素直に相場にしたがうべきだという教えである。
たとえば魚釣り。まずアタリをさぐってから、本格的に釣りはじめる。株式投資にも同じ呼吸が必要である。買いを考えているなら、手はじめに少し買ってみる。いわゆる打診買いだ。予想どおりに株価が上昇すれば、さらに買い増していけばいいが、思うように上がらなかったり下がるようなことがあったときには、自分の判断が誤りであることを素直に反省し、しばらく様子をみるか逆に売りに回る。これが、「相場に相場を聞いた」結果ということができるだろう。
一見「人の行く裏に道あり花の山」と矛盾するかのように思えるが、“人の行く……”は何がなんでも大勢に逆行しろといっているわけではない。かりに下げ相場であれば、何をみてもいっせいに弱気を示しているようなとき、つまり夜明け前がいちばん暗いといわれるようなそういう時期を感じとって、買いに回れといい、上げ相場なら過熱状態になったら売るべきだといっているものである。決して上げの途中、下げの最中で流れにさからえといってはいない。そういうときは、心静かに相場に耳を傾ける。「相場はどの方向に向かうのか」と、虚心に相場に問いかけてみるべきだろう。それが「相場は相場に聞け」の真意である。 |
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